結論:恋愛の会話に金銭・契約・紹介が入ったら、その場で止める
マッチング相手が投資、副業、スクール、コンサル、商品、宗教、特定の店や第三者を勧め始めたら、相手を説得したり正体を突き止めたりする必要はありません。リンクを開かない、払わない、借りない、個人情報を渡さない、証拠を残して通報・相談するの順で動きます。
消費者庁は2026年6月、マッチングアプリで知り合った人物が勧誘目的を隠し、「営業の仕事」を紹介するとして高額なコンサル契約と消費者金融からの借入れへ誘導した事例を公表しました。年齢・職業・年収を偽り、虚偽の身分証等をアプリ事業者へ提出した例も確認されています。本人確認済み表示や裕福そうなプロフィールだけで、取引相手として安全とは判断できません。
判定表:違和感と即中止ラインを分ける
横にスワイプして比較
| 段階 | 例 | 行動 |
|---|---|---|
| 注意して観察 | 早い段階でLINEへ移りたがる、成功談や資産の話が多い、経歴が曖昧 | 個人情報を出さずアプリ内に留まり、プロフィールと発言を保存 |
| 勧誘と判断して終了 | セミナー、経営者、師匠、投資サイト、特定店舗、スクールを紹介 | 会う約束をせず、断って運営へ通報 |
| 即時中止 | 「必ず」「絶対」「簡単に稼げる」、今日中の契約、借入れ、送金、暗号資産購入 | 返信・操作を止め、188または#9110へ相談 |
| 被害拡大の危険 | 出金に税金・保証金が必要、遠隔操作を指示、本人確認書類・認証番号を要求 | 追加送金をせず、金融機関・警察・188へ至急連絡 |
| 自分が加害側になる危険 | 別の利用者を勧誘すれば報酬、口座で受けた金を別口座へ送れ | 一切実行せず、警察へ相談 |
国民生活センターのチェックリストには、不自然な日本語、自称外国人、早期のLINE移行、頻繁な連絡、「結婚資金のために一緒に投資」といった特徴があります。ただし同センター自身が、該当するだけで詐欺とは限らず、該当しなくても安全とは限らないと注意しています。国籍や文章の癖で決めつけず、投資・送金・契約を求める行為で判断してください。
勧誘された直後の5手順
1. その場で決めない
「無料説明だけ」「登録だけ」「少額で試すだけ」でも進みません。相手の目の前で検索、口座開設、借入れ申込み、アプリのインストールをしないでください。本人確認や出金の名目でも、免許証、マイナンバーカード、銀行口座、クレジットカード、SMS認証番号を送りません。
断る例文:
恋愛・結婚相手を探す目的で利用しているため、投資・副業・商品・外部サービスの案内には参加しません。今後の連絡も不要です。
理由を詳しく説明すると、反論の材料を与えます。短く終了し、以後は返信しません。
2. 証拠を保存する
ブロックや退会で表示が消える前に、次をスクリーンショット等で残します。
- 相手のプロフィール、会員ID、写真
- アプリ内・LINE等の会話全文と日時
- 紹介者、会社、店、セミナー、サイトの名称とURL
- 契約書、説明資料、領収書、振込先、暗号資産の送付先
- 会った日時・場所、同席者、借入れを指示された内容
保存のために不審なリンクを開き直す必要はありません。見えている画面と受領済み資料だけを残します。
3. アプリ運営へ通報する
Pairs公式ヘルプは、ビジネス、宣伝、勧誘など恋愛以外を目的とした利用を違反報告の対象として案内しています。利用中のサービスの報告機能を使い、事実を時系列で伝えます。「怪しい人」だけでなく、「○月○日、投資サイトURLを送られ、10万円の入金を求められた」のように具体化します。
4. 支払っていなくても相談する
契約を迫られた、借入れ画面まで進めた、身分証を送った段階でも、消費者ホットライン188へ相談できます。警察庁は、SNSやマッチングアプリで親しくなった相手から、会わないまま投資や副業を勧められる手口をSNS型ロマンス詐欺として注意喚起し、不安があれば**#9110**を案内しています。
5. 支払った後は追加送金を止める
「出金には税金」「返金には保証金」「口座凍結解除に追加入金」と言われても払いません。利用した銀行、カード会社、暗号資産交換業者へ直ちに連絡し、警察と188にも相談します。時間がたつほど資金回収が難しくなる可能性があります。相手へ返金交渉を続けるより、記録を保全して公的窓口へつなぎます。
契約してしまった場合
消費者庁は、連鎖販売取引や業務提供誘引販売取引に当たる場合、法定書面を受け取ってから20日間、クーリング・オフできる場合があると案内しています。契約書に「できない」と書かれている、20日を過ぎたように見える、事業者間契約の形式になっている場合でも、解除できる可能性があります。
ただし、すべての副業・コンサル契約に同じ期間が適用されるわけではありません。自己判断で諦めたり、相手の指定する解約窓口だけに頼ったりせず、契約書と経緯を用意して188へ相談してください。
会う場所を変えられたときも中止できる
恋愛目的のカフェだと思っていたのに、事務所、セミナー会場、特定のバー、知人が待つ店へ移動するよう言われたら帰って構いません。初対面の場所・時間・退出の安全判断の退出文を使い、店や車へついて行かないでください。外部連絡先への移動を急かされた段階ならLINE交換の時期と個人情報も確認します。
脅迫、監禁、追跡など目前の危険は110です。安全な場所へ移動し、公的窓口への連絡を優先してください。
